第二話
ここ、ぐるみぃが住むゴミの島。そこに新しいゴミが流れ込んできました。
それを聞いたぐるみぃ達は、使えるものはないか探し始めました。
するとミイパンダは、一冊の本を見つけました。
「なぁ、この本、お化けの絵が描かれているぜ」
「え・・・・っ」
ミイパンダの言葉に、つぎはぎうさぎはびくりとします。
つぎはぎうさぎは、怖いものが大の苦手なのです。
ですので、お化けはもちろん、暗いところも苦手でした。
ですがミイパンダは興味津々でお化けの本をめくり始めます。
その絵にはみんなを驚かして泣かしてしまう場面、ゾンビやその仲間達が出てくる場面・・・。
一緒に見ていたつぎはぎうさぎは体が震え始めました。
するとミイパンダは何か思いついたように本を閉じました。
「そうだ!みんなでお化け屋敷をやろうぜ!お化けの格好をして、お互いに驚かすの。結構楽しいと思うぞ!」
「・・・ミイパンダは何かあるとすーぐやろうやろうと言い出すんだから」
へろくまが呆れて言います。
「お化け屋敷か・・・面白そうだな!」
と、ぬいぬいが嬉しそうに言います。
「お化け・・楽しそう・・・」
くまみも興味津々です。
「うーん・・・楽しそうだけど・・・うさぎさんはどう思う?お化けは平気?」
がんたいねこが、つぎはぎうさぎの方へ振り向くと、うさぎは驚いた顔をしました。
「い、いいんじゃないか!?み、みんな、楽しそうだし!」
つぎはぎうさぎは、ひとりぼっちも嫌いなので、みんなが興味を示しているのに一人だけ「いやだ」なんで言えません。
つぎはぎうさぎは力強く「やりたい」と言ってしまいました。
「よし!決まりだな!それじゃあ、みんなでお化けの格好をして、誰が一番怖いお化けか決めようぜ!」
ミイパンダがハキハキしながら提案しますが、ただ一人、つぎはぎうさぎは悲しい顔をしたままでした。
その一週間後。
ぐるみぃだけのお化け屋敷が始まりました。
お化けの役はくじ引きで決めて、順番に誰が怖いのかを競い合うことにしました。
みんなはお化けの格好をして、驚いたりして楽しんでいます。
「バァー!!」
「わぁあああ!」
つぎはぎうさぎは、お化けの格好をした、がんたいねこにびっくりして転んでしまいました。
「うさぎさん、大丈夫かい?ごめんね」
がんたいねこはそういうと、白いシーツを取りました。
「へっ・・・平気だよ!このくらい、平気平気!」
つぎはぎうさぎはそういうとすぐさま立ち上がりました。
「えっ、えーっと・・・そうだな。頑張らないと・・・」
順番が回ってきたつぎはぎうさぎはお化けの格好をしてみんなを驚かそうとしますが、逆に驚かされてばかりなので、つぎはぎうさぎは泣き出してしまいそうになりました。
「ああ・・・早く終わんないかな・・・」
つぎはぎうさぎは早く終わって欲しいとばかりにただただ心の中で祈り続けました。
そしてその夜。
ぐるみぃだけのお化け屋敷が終わりました。
「はぁ・・・疲れた・・・」
みんなと別れた後、つぎはぎうさぎは自分の家へ帰りました。
しかしその夜中・・・。
つぎはぎうさぎは布団の中で怯えていました。
何かが出てきそうで怖くなってしまったからです。
「怖いよ・・・怖いよ・・・」
怖くなって眠れなくなってしまった彼は、朝が来るようにと心の中で祈り続けていました。
しかし
どんどんどんどん!
「ひゃあああ!!」
ドアから割れるほどの音が部屋にまで聞こえてきました。
うさぎは驚いて布団に包まりました。
しかし、そこから聞こえてきたのはどこからとなく聞き慣れた声でした。
「うさぎさん。起きてる?僕だよ!がんたいねこだよ!」
「え・・・ねこさん?」
うさぎは布団に包まりながらドアへと歩き、ゆっくりと開けました。
「夜遅くに驚かせちゃってごめんね!」
「ねこさん・・・どうしたんだ。こんな時間に」
「うん・・・今日のお化け屋敷のことで怖くてさ・・・夜眠れなくなっちゃったんだー・・・」
「ええっ、ねこさんも!?」
「えっ、てことは、うさぎさんも怖くて眠れなくなっちゃったの!?」
がんたいねこは驚いてつぎはぎうさぎの手をとりました。
「奇遇だね!一緒に寝よう!」
がんたいねこはそう言うと、すぐさま、つぎはぎうさぎの布団の中に潜り込みました。
「うさぎさんの布団、あったかいねー・・・」
「・・・うん、ありがとう・・・」
「今日のお化け屋敷、楽しかったけど、怖かったねー・・・うさぎさんは怖くなかった?」
「うん・・怖かったけど・・・楽しかったよ」
「そっか・・・僕はつぎはぎうさぎさんが一番怖かったよ」
「え・・俺が?」
「うん。僕がうさぎさんを驚かそうとした時に、うさぎさんのお化けの格好が怖くて驚いちゃった。こっちが転びそうになっちゃったよ。
でも、一緒にいれば怖くないね」
「・・・そうだな」
二人はそう言うとそのまま眠りにつきました。
つぎはぎうさぎは寝ている時、「やっぱり持つべきものは友達だな」と思いました。
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